木造 延命地蔵菩薩 座像

足利市重要文化財 昭和56年2月25日指定


 本源寺本堂の正面、須弥壇上に厨子に納められた状態で安置されています。蓮華座の上に坐し、左手に宝珠、右手に錫杖を持ち、胸には瓔珞をつけた姿をしており、宝珠をつけた円御光形の光背を背負っています。厨子の裏側および底面には、次のような銘文が刻まれています。

 

【裏面】

  大小壇那主等

下野梁田郡久保田村玉林

  山本源寺

本尊奉造立住持心叔  敬白

  癸 元禄六年 酉 霜月廿四日

【底面】

  京堀川通四条上ル町

  大佛師 法橋 福田康圓作之

(花押)

 

 厨子の銘記によれば、京都の大仏師 法橋 福田康圓の作であり、元禄6年(1693年)、本源寺の本尊として心叔和尚の代に、多くの檀信徒により奉納されたことがわかります。

 台座、光背、厨子を含めた延命地蔵像の優品として、また造立年代のわかる歴史資料としても貴重なものです。